プロテインの効果的な摂取量について真剣に考えてみた

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プロテインの効果的な摂取量について真剣に考えてみた

トレーニングの効果を確かなものにするためにプロテインを飲んでいる方は多いと思いますが、その摂取量は適切でしょうか?私は、漠然と体重1kgあたり2gと考えいましたが話はそう単純でもなさそうです。そこで、あらためてプロテインの効果的な摂取量について考えてみました。

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そもそもプロテインを飲む必要があるのか

テレビ番組やCMなどで、「筋トレの効果を確かなものにするためにプロテインを飲みましょう」や「筋肉を維持するためには高齢者でも積極的にプロテインを活用しましょう」など、プロテインの摂取を推奨する内容がよく放映されています。そして、コンビニなどでは、プロテイン入りゼリーを筆頭にプロテインバーやプロテイン入りシリアルなども並べられ、プロテインが特別なものではなくなっています。

でも、ちょっと待ってください。同じ買うならプロテイン入りがいいと漠然とした健康志向やお得感などでこれらの商品を買っているとしたら、まんまと商業ペースに乗せられているような気がします。ここでは、本当にプロテイン摂ると筋肥大や筋肉維持に効果があるのかというところから考えていきたいと思います。

効果的な摂取量は20gを一日3回、計60gと思っていました

プロテインパウダー(マッチョな人がジムなどでトレーニング後などにシェイカーでシャカシャカやって飲んでいるあれです)のパッケージには「運動後30分以内」「寝る前」「間食」「朝の栄養補給」などがプロテインを飲むタイミングですよと書いてあったりします。通常、付属のスプーン1杯を200cc程度の水に溶かして飲むと、1回あたり20gぐらいのタンパク質が摂取できるようになっています。食事の間にプロテインは飲むと効果的と人から言われたので、「朝食と昼食の間」、「昼食と夕食の間」、「寝る前」と1日3回、合計で60gを摂取していたことがあります。これは適量なのでしょうか、それとも多いのでしょうか、少ないのでしょうか。

先ずは食事でどれだけのタンパク質を摂っているか

一日3回のプロテインが多いのか少ないのかは、1日の食事でどれだけのタンパク質を摂っているかを知らないといけません。プロテインを摂るべきか、摂るとしたらどれぐらいの量を摂るかを考えるより前に、その前提になるべきデータが必要です。

といっても、日々の食事内容を事細かに書きだしていくなんて面倒な事は無理。そこで、最もよくあるパターンの日、一日の食事内容を検討してみました。

朝18.3g、昼21.9g、夜26.7gで、合計66.9g、約67gです。

私は体重65kgです。通常のタンパク質必要量は、体重1kgにつき1g(1日あたり)と言われてますので65gが1日の必要量です。この食事内容で必要量は満たしていることになります。昼をラーメンで済ませても、夜が魚と味噌汁のあっさり系でもタンパク質は意外に摂れているんですね。

この場合のように運動をしていなければ、ある程度バランスの取れた食事さえできていれば、プロテインは必要ないでしょう。

筋トレの効果をあげるためのタンパク質摂取量は

筋トレをすると筋肉に負荷をかけて、筋肉の分解と合成が進むので、体重1kgあたり1gという訳にはいきません。通常より多くのタンパク質が必要になります。一般的には体重1kgあたり2gといわれています。私の体重65kgに当てはめると、タンパク質は130g必要ということになります。先ほどの食事例で言えば、130g-67g=63gが不足しています。

そこで1回20gのプロテインを食間に3回摂取すると60gですので、ほぼ不足分を補える計算です。こう考えると食間にプロテインを飲むというのは的確な感じがしてきました。ですが、ちょっと待ってください。

もし私がボディビルダーならプラス60gで足りるのでしょうか?逆に中途半端なトレーニングしかしていなくても60gを摂らないといけないのでしょうか?

ボディビルダーやフィジーク選手でないただの中高年の指標が知りたい

YouTubeやWebサイトを探し回っても、タンパク質の重要性を説かれているのは共通しているのですが、必要量となると、体重1kgあたり2gというのが確かに多数派なのですが、中には中高年はタンパク質合成力が落ちて来てプロテインの効果が弱まるので、4gぐらい摂った方がいいと言われている方もいます。

4gぐらいでは、タンパク質の過剰摂取によって内臓にダメージを与える心配は無いそうですが、何年、何十年と飲み続けていくとすると、ちょっと怖いように思えますし、第一プロテインにかかる費用も馬鹿になりません。そうなると、効果の出る最小のプロテイン摂取量が知りたくなるのですが、これがなかなか難しい問題です。年齢別、筋トレ強度別プロテイン必要量一覧表のようなものがあれば嬉しいのですが、、、

タンパク質必要量を徐脂肪体重から考えて深掘りする

難しいからと諦めるのは悔しいのでもう少し掘り下げてみます。

Eric R Helms博士は2014年の論文「Evidence-based recommendations for natural bodybuilding contest preparation: nutrition and supplementation(自然なボディービルコンテストの準備に関する証拠に基づく推奨事項:栄養とサプリメント)」の中で、カロリーがプラス(減量中でない)なら、徐脂肪体重あたり1.2g~2.2gでもトレーニング効果があると述べています。

ここで徐脂肪体重という言葉がでてきましたが、これは、体重から体脂肪を除いた体重の事です。同じ体重でも体脂肪の多い人と少ない人とでは筋肉量がそもそも違うので、体重1kgあたりと言われても誤差が大きそうですね。それに対して徐脂肪体重で考えると正確性が増しそうです。

では、試しに徐脂肪体重で考えてみましょう。恐縮ですが私のデータで計算してみます。私は現在、65kgで体脂肪率17%です。徐脂肪体重は「体重×(1-体脂肪率)」ですので、「65kg×0.83=53.95.kg」約54kgです。そこで

タンパク質量が徐脂肪体重1kgにつき1.2gなら「54×1.2=64.8」で64.8gとなります。
タンパク質量が徐脂肪体重1kgにつき1.6gなら「54×1.6=86.4」で86.4gとなります。
タンパク質量が徐脂肪体重1kgにつき2.0gなら「54×2.0=108」で108gとなります。

1.2gで必要とされる64.8gは、先ほどの例でも分かるように通常の食事で賄えます。それにしても、1.2gとは少な過ぎるように感じますが、上記の論文はコンテストに出場するボディビルダーについての考察です。ボディビルダーに比べ、圧倒的にトレーニング強度の弱い素人には、1.2gであっても十分過ぎる量なのかもしれません。

「プロテインは不要かも」からスタートする

筋トレをしていても、プロテインは必ずしも必要ではないかもしれない。そんな風に考えることからスタートする。ずっとプロテインを片手にトレーニングを続けてきた方にとっては信じがたい話かもしれませんが、ここからスタートすることで、案外最適なプロテイン摂取量を知ることができるかもしれません。

私は、プロテインを飲まずにトレーニングをしたり、1日3回60gのプロテインを摂り続けたりといろいろな方法を試行錯誤してきました。もちろん、その時はそれが一番いいと思って習慣づけていたのですが、、、(数日、数か月ではなく、年単位の長期にわたる習慣です。)

その結果、現在は1日1回20gのプロテインパウダーを飲む生活に落ち着いています。トレーニングをした日は、トレーニング後に、トレーニングをしない日には、夜、睡眠の1時間ほど前に飲んでいます。私は食事から1日あたり少ない日で65g、多い日で80g程度のタンパク質を摂っているようですので、それに20gプラスすることにしました。これは、徐脂肪体重あたり1.6gから1.8g程度に相当します。

私にとって1日3回60gのプロテインは、徐脂肪体重あたり2.6gのタンパク質に相当し、少し多すぎたようです。(Eric R Helms博士も2.2gって言ってますからね。)この時期は、カロリーも過多になって、体脂肪が増えてしまいました。これを20gのプロテインに変えたからといって効果が出なくなったこともありません。それどころか、フリーウエイトの比率を上げて、トレーニング頻度も増やしたことで、60歳を過ぎてから、明らかに筋肉量が増えてきています。

プロテインメーカーはたくさん飲んでもらえばもらうほど商品が売れてうれしいはずです。メーカー発の情報をうのみにするのではなく、自分で考え試行錯誤しながら適量を見つけることが結局のところ一番自分に合う効果的なプロテインの飲み方を見つける近道なるのかもしれません。今回、この文章を書くに当たっていろいろ調べるうちに、今自分が飲んでいる1日20gというのが、まんざら悪く無さそうだと分かって良かったです。この記事がみなさんの参考になれば幸いです。