スロートレーニングの勧め

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スロートレーニングの勧め

重量を増やすことで怪我のリスクが増える

10回ぐらいしか持ち上げられない重量で3セット運動を行うのが筋肥大を目的としたトレーニングの基本形です。筋肉が発達してくると、10回しか持ち上がらなかったものが、もっと多くの回数持ち上がるようになってきます。そして、12回とか、15回とか持ち上げられるようになったら、負荷を増やすのがセオリーです。多くの回数持ち上がるということは、十分に筋肉に刺激が与えれていない状態です。そこで、重量を増やして、再び10回程度しか持ち上がらない状態にするのです。このように、筋肉の発達に合わせて重量を増やしていくことで、より筋肉を太く大きくしていくことができます。

このようにして重量を増やしていくことで、常に筋肉に十分な刺激を与えるのが筋肥大にとって大切なことなのですが、残念ながら私はこの方法では、途中で壁にぶつかります。それは、関節の故障です。最初は順調に重量を増やすことができても、ある時から関節に痛みを感じるようになるのです。私が思うには、関節が耐えられる重量がある程度決まっているのではないでしょうか。筋肉は鍛えることで強くなっていきますが、関節は鍛えられません。そのため、重量を増やしていくと、そのうち関節が耐えられる重量をオーバーしてしまうのではないかと考えています。もちろん、関節が耐えられる重量は個人によって違いがあると思うので、いくら重量を増やしても大丈夫だと感じられている方もいらっしゃるとは思いますが、、、。

痛くてもトレーニングは続けたい

わたしは、肘や膝に痛みを感じることが多く、トレーニングの成果が出てきたなと思うころにそうなります。振り返れば、調子よく重量を増やせていた時に限って関節の痛みで今まで持ち上げられていた重量から増やすどころか減らす羽目になります。

関節が痛いからといってトレーニングを全くやめてしまうのは、なんだか負けた感じがします。かといって、痛いのは体が悲鳴を挙げている証拠。健康になるために運動をしているのに、その運動のおかげで怪我をしてはそれも本末転倒です。

そんなジレンマに陥った時、行うのがスロートレーニングです。スロートレーニングとは、軽い重量でゆっくりと行うトレーニングのことです。例えば、屈伸運動のスクワットの場合、3秒ほどをかけてゆっくりとしゃがみ、伸ばす動作も同様にゆっくと行います。このように運動をゆっくりと行うことで常にしかも長い時間、筋肉が力を発揮している状態にするのがスロートレーニングです。自分の体重を負荷にして行う自重トレーニングとセットで説明されることが多いですが、マシンやダンベルなどを使ったトレーニングでも有効です。ゆっくり運動を行うことで、筋肉の中に運動によって発生する代謝物などが溜まり続けるらしく、それによって、脳は筋肉に強い負荷がかけられたと勘違いするようなのです。この脳の勘違いを利用したトレーニングは血流を減少させる加圧トレーニングがありますが、そもそもスロートレーニングは加圧トレーニングを研究する中で生み出されたトレーニング方法らしいです。(加圧トレーニングについてはまた別の機会に)

難しいことはさておき、ゆっくりした動作でトレーニングを行うことで、高重量を扱った時と同等の効果があるならこんなうれしいことはありません。そもそも高重量でなければ関節が悲鳴をあげることもありません。安全にトレーニングが行える訳です。

スロートレーニングで気を付けること

スロートレーニングを行う際に気を付けることは、(1)正しいフォームで行う(2)関節を伸ばし切らない(3)ゆっくりした動作で行うの3つです。

「(1)正しいフォームで行う」は、通常のトレーニングよりやりやすいでしょう。軽い負荷なので、フォームを気にしながら運動を行うことができて、しかも効いている部位もわかりやすいでしょう。「(2)関節を伸ばし切らない」というのは、関節を伸ばしてしまうと、骨で支えることになって、筋肉への負荷は減少します。これでは、常に負荷をかけ続けることで脳を勘違いさせるというスロートレーニングの仕組みが、関節を伸ばして骨をロックした状態にすることで中断されることになってしまいます。関節をロックさせないのは通常のトレーニングでも同じですが、スロートレーニングではことさら大切になります。「(3)ゆっくりした動作で行う」ですが、スロートレーニングの特徴といえる項目です。ゆっくりといっても止まってしまうほどのゆっくり加減でもいけません。筋肉にとって強く負荷のかかる角度とそれほどまで負荷がかからない角度があります。ゆっくり行いながら、実は負荷のかからない状態で休んでしまっては効果があがりません。

以上の3点がスロートレーニングで特に気を付けることになりますが、筋トレを行った事がある人にとっては、それほど難しいトレーニングではありません。高重量を扱わなくていいので、関節に問題がある人や高齢の方にお勧めできるトレーニングです。

スロートレーニングの問題点

ただし、このスロートレーニング、残念ながらいいことづくめという訳ではありません。ここからは、スロートレーニングの問題点も考えておきたいと思います。これも先ほどのように3つあげておきましょう。それは、(1)しんどい(2)時間がかかる(3)限界がわかりにくいの3点です。

ひとつ目の問題点「(1)しんどい」というのは、スロートレーニングも筋トレにかわりないという事に通じるのですが、筋肉に刺激を与えないと効果がないので、軽すぎる重量を扱う訳ではありません。通常のトレーニングは最大筋力の80%程度の重量を扱いますが、スロートレーニングは50%程度の重量で行います。重量は軽いですが、ゆっくりと動かすので高重量の時と同様に10回程度しか繰り返せません。しかも「(2)時間がかかる」ので、そのしんどい時間が長く続くことになります。ひとによっては、通常のトレーニングより辛く感じるでしょう。

時間の話が出たので関連して、ひとつひとつの運動に「(2)時間がかかります」ので、トータルの運動時間も必然的に長くなります。そのため、忙しい人には取り入れにくいトレーニング方法かもしれません。

3つ目の問題点「(3)限界がわかりにくい」は、少しスピードアップするとあと何回かは続けられてしまうところです。ゆっくり動かさないといけないとはわかっていても、苦しくなってくるとどうしてもその苦しみから逃れるために、スピードが上がりがちです。スピードが上がるということは、負荷が弱くなるのと同じ事ですから、限界点が変わってしまいます。最初から最後まで同じリズムを刻み続けられる人なら問題ないのですが、これでもう限界と思えるまで、スローを貫き通すのは、肉体的にも精神的にも辛いことです。

前述のように、スロートレーニングは関節に不安のあるシニア世代に適したトレーニングではあるのですが、効果を上げるためにはそれなりに大変で、精神力も時間も必要です。不安のある部位だけで実践してみるとか、何回かに一回というようにトレーニングに変化を取り入れるような形でおこなってみるとか、うまくスロートレーニングと付き合う方法を考えてみるのはどうでしょう。